aちゃんのじゆうちょう

美少女戦士になりたい大学生 aちゃんの自由帳

死ぬ覚悟と生きる希望

舞台『カリギュラ』を観た。

 

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残念なことに、ここで私がカリギュラの内容と考察を語るのはちょっと難易度が高すぎる。たぶん見当違いな薄っぺらいレビューになってしまうから、最後のほうで少し言及する程度に留めておこうかな。うん、そうしよう。

 

そしてこれはあまり大きな声では言えないんだけど、前半4分の1くらいは菅田将暉の美しさに圧倒されすぎて台詞が全然頭に入ってこなかった。あとで原作の戯曲をあたってみよう。(先に読んでおけよな)

 

なんと言っても、主演の菅田将暉は私の大好きな俳優、いわゆる “推し” 。そうでなければ観に行くこともなかった作品だからね。

 

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今回は演出と役者にフォーカスしたレビュー(ネタバレ含)をするよ。私は高校演劇レベルしか知らないっていう前提で読んでね。語彙力は今ここに棄てるよ。

 

まず、音響と照明がやばかった。

え?って感じの音の使い方すんの。突然の大音量にちょっとびっくりしたりもするけどね。

照明なんて、演者に当たってる光の元を辿ってって天井付近見ちゃったよ。これどっから当ててんの?って。とにかく影の使い方が上手かった。もはや影ばっかり見ちゃう。特に最後の場面。なんなのあれ。言葉にできない感動。私もあれやりたい。

 

次に、空間の使い方。

縦横奥、ちゃんと余すところなく使うんだね。休憩が終わって後半の序盤、カリギュラが女装して宙に浮いてて「ええええええ」って感じだった。びっくりの二乗。

なんていうか当たり前だけど、観る人を飽きさせない構成だなって思った。めっちゃ視線が動く。カリギュラの登場と最期の場面以外は上下左右あちこちに動く。

もちろん場面転換も。まったく滞らなくてほんとすごいなって思いました(小並感)。

 

最後に役者さんたちの演技。

みんなすごいのよ。なんであんなにセリフが聞き取りやすいのか。しかもひとつひとつのセリフが馬鹿みたいに長い。ワンシーン分でも覚えるのめっちゃ時間かかりそう。特に菅田くんの長台詞はすごすぎる。

 

いや、本当に菅田将暉すげえなって思った。

テレビとか映画でもわかるんだけど、生で見て実感した。2時間半くらい最初から最後まで所作も表情も全部カリギュラなの。そこに菅田将暉は一切いないんだよ。登場シーンはビビったね。うわぁなんなんだあれは…私の知っている菅田将暉ではないぞ…と。

役柄がね、なんかDV男にありがちな早口で怒鳴った直後に小声で優しく話したりする情緒不安定系だった(私にはそう見えた)んだけど、それも意味わからんくらい上手いんだよね。途中バレリーナ姿で踊ってたし。これ、役落とし込むのにどれくらい時間かかったのかな…とか考えちゃった。とんでもなく膨大な労力を費やしてるはずで、それを観れたのは本当に光栄だったよ。

そして、舞台が終わって出てきたときに「うわっ菅田将暉だ!!!!!」って。そこにいたのは紛れもなく菅田将暉だったんだよ。カリギュラはいなかった。切替すげぇ…プロだ…って思った。

 

カリギュラは、愛していた人を亡くしたことをきっかけに暴走をはじめる。その悲しみによって変わってしまったように思えたが、彼は愛する人を1日で亡くしたことよりも、その苦悩も続かないという事実に気付いて、それが苦しいと言っていた。愛なんてとりとめのないものだとも。

たしかに。どうなんだろう。苦悩が続かないことで、自分では愛していたつもりなのに、思っていたよりも彼女を愛せていなかったように感じたのかな。深く愛していたら、悲しみや苦しみから解放されるはずがないと。でも苦悩も永続しないことに気付いてしまった。それで絶望して、愛を信じられなくなったのかな。どうなんだろう。わからないな。もしそう考えるなら、ロミオとジュリエットのように愛する人と死ねたらある意味幸せなのかもしれないね。カリギュラが気付いて苦しんでいる事実に気付かないまま死ねるから。

でも、もし私が突然死んだとしても周りのみんなにはそう長く悲しまないでほしいなぁ。まあ多少は悲しんでくれないと寂しいけど、できるだけ早くいつも通り元気に戻ってほしい。だって悲しみが消えたからって私を愛していた事実は消えない。その事実さえあれば私は充分生きていける…って死んでるのか!まあとにかく私はそれだけで嬉しいよって話。今後誰かを失ったときに、また何か気付くことがあるかもしれないね。

 

以上、見当違いな薄っぺらいレビューでした。

 

《追記》一緒に行った友人が感想をSNSに載せていたんだけど、彼女の解釈を読んだら心にスッと入ってきて、たぶんそっちのほうがカミュの言わんとしてたことに近いだろうなと思った。すごく良かった。けどまあこれもこれで残しておこう。

 

 

そういえば

“一度菅田将暉を生で見るまでは死ねない”

と思っていた私だけど、実際に彼の芝居を観たら

“明日からもがんばって生きよう”

と思えた。このことを私を舞台に誘ってくれた友人に話したら名言が返ってきたので、今回はそれを紹介して終わろうと思う。

 

〜推しってすごいよね、死ぬ覚悟と生きる希望を与えてくれる〜

 

 

 

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