aちゃんのじゆうちょう

美少女戦士になりたい大学生 aちゃんの自由帳

イベントを成功させるということ

高校では生徒会や行事の運営、海外ホームステイなど様々な活動に意欲的だった私も、大学に入ってからはいわゆる『無気力・無関心・無責任』街道まっしぐら。

過去の自分が忌み嫌っていた三無主義だ。

 

生協委員や学祭実行委員はおろか、部活やサークルなどの団体にすら全く属していないただの陰キャをやっている。

 

サークル無所属民である私の友人は、全員同じ学科の子たちで、特に一緒にいることの多い3人はバレーボールサークルに所属している。中学ではバレー部だったのでバレーは好きで、そのサークルには体験にも行ったけど、色々あって入らなかった。でもあのとき入ればよかったかもなぁ、と思ったり思わなかったりな今日この頃だ。

 

今日もそう思った。

 

この連休で我が大学は学園祭を開催している。

私は去年と同様、ありがたい4連休をバイトと休養に費やそうと思っていたが、先ほど挙げた3人のうちの1人に

「お笑いライブのチケットが1枚余ってるからおいでよ!」

と誘われ、授業もないのに大学に行ってきた。

 

学園祭は私が想像していたよりもはるかに盛り上がっていた。

装飾された門をくぐって

なるほど、と思った。

みんな楽しそうだった。

 

高校時代の記憶が蘇ってきた。

 

どの団体にも属さないという選択自体に後悔はないけれど

「10年後20年後の私の記憶には、この4年間の何が残っているんだろう。もしかしたら何も残っていないかもしれない」

そう思った。

 

高校生の頃の記憶は死に際まで残っていると思う。

だが今はどうだろうか?

サークルに入ることは、思い出づくりという点においては非常に効果的で手っ取り早い方法だったのだと今さらながら実感した。

 

 

一方で、今日のお笑いライブの記憶はそれなりに残るんじゃないかと思う。

 

うちの大学はお世辞にも有名な大学とは言えないが、今年は控えめに言っても有名な芸人を呼ぶことに成功したようだ。(今日だけで4校目だと言っていた。超ハード)

 

ひとことで言えば、面白かった。

お笑いにそこまで明るくない私もそれなりに楽しめた。ネタが面白かったかどうかは正直なところわからない。芸人さんがつくるその場の空気がネタを面白く感じさせて客の満足度を上げた、という表現のほうが適しているように思う。テレビやYouTubeで今日のネタを観て同じように笑えるか?と聞かれたら答えはノーだ。

 

 

おそらく全てのイベントは始まってしまえば(出演者の質がよほど悪くなければ)成功はほぼ確実と言えると思う。

臨場感によって内容は3割、いや、5割増し。

失敗するとしたらもっと前の段階、『集客』だろう。

 

私は結果的に学園祭に行って良かったと思っているが、友人に誘われなかったら、そしてチケットが無かったら、絶対に行かなかった。

 

お笑いライブの存在や出演する芸人などの情報は事前に耳に入っていたが、そもそも学園祭自体に興味がなかった。

 

 

興味のない人間が足を運ぶということが、こんなにハードルの高いことだとは知らなかった。

 

 

高校時代、母校で毎年卒業生が主催する学内イベントの代表を務めたことがある。参加必須ではなかったが、私としてはなるべく多くの生徒、欲を言えば全員に見に来てもらいたかった。どうしたら多くの人に来てもらえるだろうか。

 

全校集会で告知、SNSで告知、予告動画の作成…

周りの力を借りて色々な方法で宣伝をしたが、やはり観客の大部分は出演者にゆかりのある人たちだった。来てくれた人たちの満足度は高かったと自負していたが、そんなのは当たり前だ。出演者の質が良かったのだから。卒業式当日のしんみり感という付加価値もあった。

 

そのことに今日やっと気づけた。

正直気づきたくなかった。

反響も多く、大成功だった。はずだった。

 

 

でも私は来てくれた人たちだけを見ていたに過ぎない。むしろそれ以外の人たちに対しては「この人たちはなぜ来てくれないのだろう?」と疑問に思っていた。

 

運営から外れて、ただの客の1人として学園祭に参加したことにより、来なかった人たちの気持ちがわかった気がする。

 

どんなに告知・宣伝をしても、興味のない人間は動かせない。彼らに足を運んでもらうために最も効果的な方法は、単なる呼びかけや貼り紙ではなく、出演者の凄さをアピールすることでもなく、SNSを利用することでもない。凝った動画を作ったってほとんど意味がない。これらも大事なので並行してやるべきではあるが、

 

最も必要なのは、『直接』誘うことだ。

 

イベントの関係者が誘ってもいいが、もっといいのはその人の友人が誘うことだ。友人に誘われれば行ってもいいかな、という気になる確率がグッと上がる。つまり、イベントの関係者が友人を誘い、友人はそのまた友人を誘ってくる。これが一番いいのではなかろうか?

 

なぜ私がここまで “興味のない人に来てもらう” ことにこだわるかというと、当時寄せられた感想のなかで最も嬉しかったのは

「去年は行かなかったけど、誘われてなんとなく行ってみたらすごく感動した。本当に行って良かった!!!」

という類のものだったからだ。

 

 

無関心だった人に感動を与えることこそがエンターテインメントだと私は思う。それができてはじめて、「イベントは成功した」と胸を張って言える。

 

 

 

今度なにかやるときは、超原始的な方法で人を集めよう。そう思った。

 

機会があれば。